アニメーション研究のための
論文と書籍のデータベースサイト

英語圏アニメーション研究を知るための10の文献

中垣恒太郎

主として米国を中心とした英語圏アニメーション研究を知るための基礎文献から比較的最近の文献を選出。ディズニー・スタジオを女性スタッフの視点から捉え直したノンフィクション書から、ウィンザー・マッケイ、フライシャー兄弟、UPA(ユナイテッド・プロダクション・オブ・アメリカ)、ピクサー、声優という職業、さらに、検閲や近年のアニメーション・ドキュメンタリーの潮流に至るまで多くの示唆を与えてくれることでしょう。

中垣恒太郎

専修大学文学部英語英米文学科教授。アメリカ文化・比較メディア文化研究。アメリカ文学研究から出発し、小説・映画・マンガ・アニメーション・音楽などメディアを横断したナラティブ分析に基づく研究活動を展開。とりわけ虚構と物語の境界線をめぐる領域に関心を寄せながら人文学の応用可能性を探っている。

関連リスト

ベティ・ブープやポパイで知られるフライシャー兄弟のアニメーションを理解するのに有用と選者が考える文献を挙げた。フライシャー兄弟の作品は、その都会的で大人向けの作風、人種的ジョークなどの特徴において、ディズニーと差異化される。それのみならず、初期アニメーションの特徴である実写と手描きの共存する性質を、様々な形で継続した映像的な混淆性にも特徴がある。フライシャー兄弟の映像的な性質は、東海岸の移民を中心としたアメリカ文化を基盤とするのみならず、今日における実写とアニメーションの境界の曖昧化にも通じる問題系を潜在させている。