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アニメーション産業史研究はいかにして/何が可能か:方法論と意義についての学際的考察

現代のアニメーション産業への関心に比べ、その歴史の研究事例は少ない。これは学術研究上のディシプリンや課題の説明が、アカデミアに不足しているからである。本稿ではその解決を試みる。歴史研究を例にとれば、ポピュラー文化に関する記述は、まず通俗的社会批評により始められた。そして次に、社会史によるメディアの政治性の研究が行われた。しかしこれらの研究は、社会批評や社会史の関心を再確認する過程に留まる傾向があった。人文・社会科学一般の方法論に視点を広げれば、産業や企業の役割よりもユーザーの営みに注目することが主流である。だがこうしたアプローチは、文化産業が組み込まれている資本の論理には関心が薄い。アニメーション産業史の研究は、ポピュラー文化と資本の論理の関係についての議論をもたらし、その構造がいかに歴史的に変化したのかの事例研究を導くことで、人文・社会科学の方法論と視点を更新する大きな可能性を持つ。

  • タイトル(英語)
How/What is Possible in History Studies of Animation Industry: Interdisciplinary Research About Method and Significance.
  • 発表年
2023年
  • 著者
  • 掲載誌
アニメーション研究
  • 掲載誌巻号
23(1)
  • 掲載誌ページ
15-27
  • 掲載誌ウェブページ
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjas/23/1/23_A-21-025-R1/_article/-char/ja
  • キーワード

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